犬と猫の整形外科疾患について
2022.11.14
犬と猫の整形外科疾患について
犬と猫の歩き方に異常がみられる原因は、1つではありません。
外傷があり、レントゲンではっきりわかる骨折など比較的診断がしやすい疾患だけでなく、先天性疾患や特発性疾患、栄養性疾患など診断が難しい場合もあります。
動物は、「動きたい」という衝動が強い生き物です。
犬や猫が元気に歩き、自力で身体を動かせる生活をなるべく長く維持するためには、異常が見られた際に行う正確な診断と治療が必要です。
〇整形外科疾患とは?
骨や筋肉、腱、靭帯など、身体を動かすことに関わる器官の病気やケガ、さらに先天的な異常がみられる疾患を整形外科疾患と言います。
よく見られる症状は、
・歩き方がおかしい
・片方の足や手を挙げている(地面に着けない)
・手足の一部が腫れている
・抱くと痛がって鳴く
・歩けない
などです。
この様な症状が見られた場合は、すぐに病院を受診しましょう。
〇代表的な整形外科疾患
犬では、骨折や脱臼などの外傷の他、発育障害が原因になるもの(膝蓋骨脱臼・離断性骨軟骨症・成長版早期閉鎖など)、先天異常が原因のもの(先天性肩関節脱臼・先天性肘関節脱臼・骨形成不全・ムコ多糖代謝異常症など)、特発性疾患(汎骨炎など)や栄養性疾患、関節炎などがあります。
また、ミニチュアダックスフンドに多い椎間板ヘルニアや、全ての年齢で発症する可能性のある前十字靭帯損傷もよく見られる疾患です。
猫では、犬と同様に外傷による骨折や脱臼の他に、スコティッシュフォールドに多い先天異常で有名な骨軟骨異形成症の他、関節炎などの疾患が見られます。
また、犬猫共に高齢になると腫瘍性疾患が原因で跛行が見られるケースがあるため注意が必要です。
歩き方の異常に気づいたらすぐに受診しましょう。
〇動物病院で行う検査について
基本的には視診、触診、レントゲン検査、血液検査を行います。
跛行している場合は、前肢または後肢のどちらに跛行が見られるのか判断することが正確な診断のためには非常に重要です。
しかし、家では明らかな症状がみられるのに、診察室内では症状がよくわからない場合があります。
正確な診断を行うために、ご自宅での歩き方や動きをスマホ等で動画撮影して見せて頂くと非常に参考になります。
〇治療方法について
手術を行う外科療法と、症状を緩和するための内服薬やサプリメントで治療を行う内科療法があります。どちらの治療が必要なのかは原因や状態によって異なります。
例えば、骨折は外科手術が必要になるケースがほとんどですが、椎間板ヘルニアは症状と状態によって、外科手術が必要な場合と内科療法で維持できる場合があります。
〇早期発見と治療が大切
整形外科疾患は、痛みを伴う場合も少なくありません。
大切な家族であるペットが元気で快適な生活を送るためにも、おかしいと思ったら早めに受診して治療を受けることが大切です。
ご不安なことやご相談がある際はお気軽に当院にご連絡ください。
TEL:079-423-9939