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犬で多い整形外科疾患「膝蓋骨脱臼」とは?

2022.11.19

犬で多い整形外科疾患「膝蓋骨脱臼」とは?

 

 

犬でよくみられる整形外科疾患1つに「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう・パテラ)」という病気があります。この病気を発症すると、膝蓋骨がずれてしまい、足の痛み歩行異常の原因となります。今回は犬の代表的な整形外科疾患である膝蓋骨脱臼について詳しく解説します。

 

〇膝蓋骨脱臼の症状

犬の膝蓋骨脱臼は重症度によりグレード1から4まで分類されます。それぞれのグレードで見られる症状は下記の通りです。

 

・グレード1

膝蓋骨は普段は正常な位置にはまっていますが、手で押すと脱臼させることができます。症状はほとんど見られません。

 

・グレード2

膝蓋骨が普段は正常な位置にはまっていますが、頻繁に脱臼してしまいます。膝蓋骨を手で押すと元に戻すことができます。たまに足を引きずる、痛がるなどの症状が見られます。

 

・グレード3

膝蓋骨は普段から脱臼している状態ですが、手で押して正常な位置に戻すことができます。歩行に異常が見られ、痛みが伴うこともあります。

 

・グレード4

膝蓋骨は常に脱臼しています。膝蓋骨を手で押しても正常な位置に戻すことができません。重度の歩行異常や痛みが見られます。

 

膝蓋骨脱臼の原因

先天的な後ろ足の発育異常が原因で発症します。生まれつきのこともあれば、発育過程で生じることもあります。

 

膝蓋骨脱臼の診断

身体検査で膝蓋骨の脱臼を確認します。レントゲン検査も行い、脱臼や骨の変形の程度も確認します。

 

〇膝蓋骨脱臼の治療

グレードが1から2で、症状がそれほど気にならない場合には、消炎剤や鎮痛剤による保存的治療が行われることが多いです。グレード1から2での保存療法に対する反応が悪い場合や、グレード3から4では手術がすすめられます。手術では膝蓋骨がはまる溝を形成するなどの処置を行います。

 

膝蓋骨脱臼の予防

予防法としては、下記のようなものが挙げられます。

 

ダイエット

肥満になり体重が増えすぎると膝にかかる負担が増え、膝蓋骨脱臼の発症や悪化のリスクが高まります。

 

飛び跳ねたり二本足で立たせたりしない

これらの行動は膝にかなり負担がかかります。ソファへの飛び乗りや飛び降り、二本足で立つなどの行動はさせないようにしましょう。

 

滑り止めを敷く

フローリングで走り回り、ツルツル滑ってしまうと膝に負担がかかります。絨毯や滑り止めのマットを敷き、滑らないようにしてあげましょう。

 

まとめ

膝蓋骨脱臼は犬に多い膝の病気です。発症すると歩行異常や痛みを伴います。重症化すると手術の必要性も出てくるため、注意が必要です。普段から犬の膝に負担をかけない生活を心がけましょう。

 

 

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